サイエンスカフェといえば、最先端の科学技術や、エネルギー問題のように利害が入り混じった難しい課題を扱っているものだと思われていることもありますが、富山のサイエンスカフェではもっと身近な話題も取り上げてます。その中でも特に力を入れているのがジオパークです。
ジオパークは特色ある地形や地質、さらにそれらを背景として成立した生態系や文化などを、地域のみんなで守り活かしていく取り組みです。ジオパークの「ジオ」は大地や地球を表す言葉、「パーク」は公園ですから、まさにダイナミックな大地の公園です。富山県東部地域には立山に代表されるように、多くの人を魅了する地域の財産が豊富にあり、ナチュラリストなどのガイド活動が活発で、ジオパークにふさわしい素質を持ち合わせています。
しかし、ジオパークは勝手に名乗れるものではありません。審査を経て認定され、その後も再審査が必要な制度になっています。国内には糸魚川など6地域が認定されている世界ジオパークと、国内で認定される日本ジオパークがあり、富山県東部地域では昨冬から、2014年の日本ジオパーク認定を目指した活動が進んでいます。
今週初めには立山黒部ジオパーク推進協議会が発足し、富山県東部地域のジオパークに向けた活動がいよいよ本格化してきました。国内の多くのジオパークは行政主導ですが、富山の活動は民間主導という特色があり、活動そのものにも注目が集まっています。
協議会ができる前の週には富山市大山地域から見つかったアンキロサウルス類と目される恐竜足跡化石が話題になるなど、いま、富山はジオな話題で盛り上がっています。
今年もあと残すところ半月となったので、この1年で注目された富山のジオな話題を思いつくままあげてみると、世界一新しい花崗岩と分かった黒部川花崗岩、産地が国の天然記念物に指定された玉滴石、(県東部ではありませんが)国の名勝に指定された女岩など、大きなニュースが目白押しです。
この勢いで新しい年はジオパークが富山にできるといいですね。サイエンスカフェとやまもささやかながら、富山のジオパーク推進活動を応援していきたいと思います。
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